この5年くらい前から、小中学校で話すことが多くなりました。そのときに寄って話の内容が違うのですが、今年のテーマは、「伝えること」でした。視覚障害の人にどうやって伝えたら良いかとか、点字についての知識などです。大体、授業時間が45分と決められていますので、話もその中で纏めなければなりません。このような取り組みは少なくとも15年前まではなかったものです。何時からこのような形で、障害者の話を聞いて理解を深める教育プログラムが出来たのかは分かりませんが、とにかく障害者当事者から話を聞けることは大変大きな意味があるのです。今は結果が出なくても、子ども達は成長していきますので自分の蒔いた種が大人になってどのように花開くかが大変楽しみでもあります。
話すことを依頼される背景には、小学4年生の教科書に点字のことが書かれています。そこで、私達が点字をどのように用いているかや、障害者の日常生活で困ることなど、話を聞くことにより障害者と健常者の壁を出来るだけなく沿うと言う狙いがあるようです。又、虐めの問題も絡んでいるようで、以前、私の中学の担任だった先生が、「視覚障害者として悔しかったことなども話してほしい、それは今抱えている虐めの問題を無くすのに大事だ」と言ってました。
私が小学校で話すときは、三つのことをお話しています。一つ目は、白杖のこと。そして二つ目は、声をかけること、どうやって誘導するかと言う事です。この三つさえ抑えて置けば良いとさえ思います。それと点字の現在の状況や社会でどんな風に使われているかです。之で15分くらい使ってしまいます。後は質問の時間を30分とって子どもたちが私達のどんなことが興味があるかを知る上で大変楽しみでもあり、又興味深いことでもあります。
子供たちの質問は、日常生活の事が60パーセントで後は、精神的なことです。この精神的と言うのは、一番大変だったことや、見えなくなっての恐怖感があったかどうかです。
質問で印象に残っているのは、「私達は将来どのようになってほしいですか?・目が不自由な人に何か出来ることはありますか?」 と聞かれたときは大変びっくりしました。ここまで深く興味を持って自分の話を聞いてくれるとは正直に言って思いませんでした。
又、先生方の対応もいろいろあります。例えば、話をさせていただいた後テープで感想を送ってくださったり、点字で自分の好きなこと・本のこと・将来の由愛など一生懸命子ども達が書いてくれたりとお話して嬉しいことが沢山有りますが、その中で、ある先生が点字の手紙を書いてくださったことは大変頭に残りましたし、これを切欠に障害者の理解が深まればと考えます。
子ども達は一つの機関が無くなることを目を瞑ったりして理解しようとしているようです。数年前までは、アイマスクをして歩くことは意味がないと思いましたが、小学校や子ども達を見ているとこんな体験も必要なのではないかと感じるこのごろです。
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2004/01/22 玉橋友晴この下は、広告です。ホームページの内容とは無関係です