視覚障害者とパソコン
私達がパソコンを使うようになって10数年経ちます。最初は「視覚障害者用に作られたワープロ」でした。当時は「目が見えなくても墨字書ける」と多少の値段の高さも気にならないほどの朗報でした。専用の音声装置とソフトで、26万くらいしていました。これにパソコンとディスプレー・プリンターなどを入れると60万はしたのですが、「これで世界が広がる」との期待感から、そんなに高いとは思いませんでした。今では考えられない値段です。
私も、12年くらい前にワープロを手に入れました。友達に手紙を送ったりちょっとした原稿を書いたりして、世界が広がりました。
今は、パソコンが安くなったのと、画面読み上げソフト(視覚障害者がWindowsを操作するもの)をパソコンの中に入れてしまえば、音声装置など無くてもパソコンにスピーカーを繋げるだけで音声が出てきますし、「ワード・エクセル」も音声ソフトを使えば基本的な事が出来るようになりました。
よく、「パソコンは音声で使っている」とお話すると、「マイクを付けて喋った内容が漢字変換されて」と一般の方は想像しているようですが、じつはそうではありません。私達はマウスを使いません。殆どが、キーボードで操作します。漢字の変換は、音声ソフトの中に、「詳細読み」があり、スペースキーで押していくと画面に出ている漢字を例文を使って案内してくれます。例えば、「漢字」という字は、「かんぶんのかん・もじのじ」と例文で説明してくれます。ですから、皆様が障害者の方に字を説明するとき(自分の名前など)は、例文を使って説明してくれるとありがたいです。この機能を「詳細読み」と私達は言っています。
私が最初にワープロをやりはじめた頃、盲学校では当時は漢字を習うと言う授業はありませんでした。ですから、例文で言われてもぴんとこないものも有りました。「親切」と書こうとしたら「りょうしんのしん・せつだんのせつ」と出てきたので、「これは親切ではない」と思って違う字にして手紙を送りました。私としては「親を切って何が親切?」と余計な気を回してしまいました。
次に、どうやってインターネットをしているかを説明します。殆どの障害者が使っているのは 「アイビーエムのホームページリーダー」です。これは、リンクの時は女性の声で読んでくれますし、何かインターネットで検索したいときなども文字を入れることが出来ます。ですから、障害者にとってインターネットが出来ることは、情報をいち早く得る手段でも有りますが、逆に、情報量が多すぎて困ることも度々あります。これは皆様と同じだと思います。
「ホームページリーダーはお試し版が入手できます。」と書いたのですが、今は入手出来なくなりました。アメリカの ibm には、3.4として入手できるようです。但し、英語のページ対応で、日本語は全く使えません。
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